つぶやき童話。

 

なんとなく呟いてみる とりとめのない唄は

童話のよう

甘く優しく 時折ひどく残酷。

本当のように聞こえる 嘘を並べながら

僕は唄うんだ

世界に聞こえるように

自分の位置を確かめる 道しるべの物語。

 

嬉しいときの心には晴れの精

辛いときの心には雨の精

僕の心の中に住んでいる。

雨の精は多分 悲しみを洗い流す為にいる。

 

晴れた空は時々 僕を独りなのだと思わせる。

 

行く先を決めて旅立って もう随分立つのだけど

僕は今どの辺りを歩いているかな。

時々わからなくなるよ。

すぐに思い出すけどね 。

 

水面が映す僕は、なんだか情けない顔をしている 。

 

悲しみが世界を包むように見えるのは

きっと自分の位置を忘れたからだ。

優しさ以外に何もない世界はただの甘やかし

そろそろ気づかなくちゃ

 

夢の世界は優しいけど、何もない。

 

生きなくちゃいけない。

望まなくちゃいけない 。

自分の位置はもう思い出した?

僕はどこにいるんだ?

 

今、この場所にいる。

 

今日は雨の精、明日はきっと晴れの精。

 

泣いてばかりいると目が曇るんだ。

無理してちょっと笑ってみる。

少しだけ元気が出てきたら  雨の精にお別れするんだ。

 

ありがとう。

 

辛い事だけで世界が回ってるわけじゃないんだよ?

 

 

 

2004.12 無料配布同人誌より再録。

 

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