Somebody's Pain

知る人ぞ知る、な感じの有澤の過去作品ですf(^-^;)

元の作品を知らない方にはキリリク小説「Dear Wonderful World」は解りにくい話だと思われます。

それでも読むという懐の深いチャレンジャー用に、ちょっと内容、登場人物説明。
すでに同人誌では取り扱っていない、再発行予定もないものなので、ざっくりネタバレ上等で載せてありますのでご注意を。
系統は「Nameless」シリーズと似通っています。
学生時代に書いた作品のためか痛めの青さに溢れております(笑)

 

◆あらすじ◆

橋の下には「心の痛み」を肩代わりしてくれる少年がいる。
自分のなくした「痛み」を探しているのだと彼は言う。
いつしか彼は「Somebody's Pain(誰かの痛み)」と呼ばれるようになっていた。
時には傷ついた自分を隠すために、またある時は傷つける自分を許すために、それぞれに「痛み」を抱えた若者達は彼の元を訪れる。
しかし、その中に彼の探す「痛み」はなかった。
そんな彼の元を訪れた北村綾香。
高校の時に付き合っていた相手を酷い言葉で傷つけ、その少し後に彼が自殺未遂を起こす現場を目の当たりにしてしまった彼女は、ずっとその事を心の傷としてひきずっていたのだ
彼女は橋の下の少年に出会い、愕然とした。
その橋はかつて彼が飛び降りた場所。目の前にいるのは、三年前、自殺した当時と変わらぬ姿の彼。
自分の心の傷となった人物、藤宮透だったのだ。
橋の下の少年は、彼女の「痛み」を知ることで自分が犯した過ちを思い出す。
愛される事も愛する事もよくわからず、ずっと一人で過ごしてきた事。
ふとしたきっかけで付き合う事になった彼女に、もしかしたら本当に解ってくれるかもしれないと浅はかな期待をして、その結果傷つけた。
「目の前から消えて欲しい」と言われたから、本当に消えてしまおうと思ったのだ。
彼女の持つ傷が、彼の知りたい「痛み」だった。
あの頃に知りたかった彼女の、そして自分の「傷」の正体に気付いた彼は、目的を果たして消えていった。
翌日、藤宮透は三年間の昏睡状態から意識を回復した。
しかし、昔の思い出を全て忘れてしまっていた。自分の事も、彼女の事も。
ただ、再び訪れたあの橋を懐かしく感じる。
過去の自分が死んだその場所を、彼は思い出の墓なのだと思った。

 

本編での登場人物

藤宮 透 <ふじみや とおる>

主人公。親と不仲、人付き合いはほとんどしない、勉強が趣味。
他人には期待しない、が心情の人間嫌い。でも動物は好き。
ある日衝動的に自宅に火をつけ焼身自殺を図るが死にきれず、近くの橋から飛び降りをする。奇跡的に命を取り留めるがその後3年間昏睡、記憶喪失に。
本編のSomebody's Pain は彼の生霊みたいなもの?

北村 綾香 <きたむら あやか>

始めは協調性のない藤宮を嫌っていたが、捨て猫がきっかけで意識をするように。
1年間交際していたが、互いの溝を埋める事ができずに一方的に喧嘩別れしてしまう。
後日、運悪くも彼の自殺未遂現場に立ち会ってしまいトラウマに。
3年の時を経て和解するも相手は記憶喪失。現在は友達以上恋人未満の微妙な関係。

藤宮 章 <ふじみや あきら>

透の4つ年下の弟。兄とは違い、明るく人懐こい。スポーツも大好き。
以前は家庭内で浮いている兄を嫌っていたが、自殺未遂をきっかけに家族の関係を修復する事に奔走するようになる。
密かに兄と北村の復縁をたくらんでいたりする。

 

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